■ 映像で鎌倉の歴史を学ぶ
鎌倉は、日本初の「ナショナル・トラスト活動」が起こった地域。1964年、市民が募金を集め、鎌倉の鶴岡八幡宮の裏山の御谷(おやつ)の森を買い取り、既に工事が始まりかけていた宅地開発から森を守った。
国内初となったこのナショナル・トラスト活動は全国に広がり、1966年には「古都保存法」が制定され、京都や奈良などの景観を守ることにつながった。
映像教材では、こうした経緯や、50年間鎌倉の森と景観を守ってきた「鎌倉風致保存会」の活動などを紹介した。
映像を見た後は、子どもたちはグループに分かれて「鎌倉の景観を守るために何ができるか」について話し合った。「高齢者ばかりでなく若い人も一緒になって活動しなきゃ」という発表に「若い人は鎌倉にいないよ」と返す子も。
講師役の石坂さんが「ここにいる小学生のみんなも若いよ!」と返し、教室に笑い声が上がるシーンもあった。

この日の授業は松尾崇・鎌倉市長も視察した。松尾市長は授業後、「森もそのままでは守れない、みなさんが関心を持つことがすごく大事です。関心を持ち、気がついたことを声に出していく、そして変えるためには行動すること。今日、鎌倉の先人の人たちの思いを少し知る機会があったと思うので、これから鎌倉を守っていくために、みなさん力を合わせて頑張っていきましょう」と挨拶をした。
担任の教諭は、「ナショナル・トラストは自然保護活動だと思っていたが、まちを開発から守る運動だったとは知らなかった。子どもたちは、今日の授業でよく分かったと思うし、私も勉強になりました」と話した。
この映像教材は来年度以降、鎌倉市内の他の小学校でも使用される予定だ。
三井住友信託銀行のESDプログラム
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