オルタナ80号「CSR48presents CSRトピックス」40 総監督のつぶやき

SDGs(持続可能な開発目標)の国内認知度が9割を超えている一方で、2024年の国連レポートでは、SDGs達成に向けて軌道に乗っている目標はわずか17%、後退しているものも17%という事実があります。
政府がジャパンSDGsアワードを終了するなど、実行のフェーズゆえに耳にすることが少なくなった気がしていました。ところが最近、2030年に向けた企業イニシアティブ「フォワード・ファスター」に注目が集まっています。
これは、遅々として進んでいないターゲットに対して、5つの項目(ジェンダーやファイナンス、水資源など)に絞ってビジネスセクターが集中して課題解決の底上げをしようという動きです。
コミットした企業は、年次の達成状況を報告する必要があり、コレクティブインパクトを世の中に示すことが目的となっています。
そんなSDGs達成へドライブをかける動きがある一方で、次のゴール「ビヨンドSDGs」としての「ウェルビーイング」(身体的・精神的・社会的に満たされた、広い意味で幸せの概念)を耳にする機会が増えました。
GDP(国内総生産)では捉えきれていない、一人ひとりのウェルビーイングを測定するため、企業と識者も加わった指標作りへの動きが始まっています。
2月の国会では、岩屋外務大臣が、SDGsの次の議論に参画する旨に言及しました。2031年以降の「ビヨンドSDGs」の議論に、課題先進国と言われる日本も大いに存在感を発揮していきたいものです。(CSR48・太田康子)