水田除草ロボで有機栽培・自然栽培の普及を後押し

オルタナ80号「農業トピックス」52

GNSS(全地球航法衛星システム)で自動運転

IoT や AI による農業機器の開発を行うハタケホットケ(長野県塩尻市)は、水田除草ロボット「ミズニゴール」の 2025 年モデルを発表した。水田の中を走り回り水を濁らせることで、稲の栄養を奪う雑草の光合成を遮り、除草作業の負担軽減を図る仕組みだ。

2025 年モデルは衛星システムの採用で自動運転の精度を向上させたほか、耐久性・耐水性の向上や軽量化を図った。走破時の稲へのダメージを抑えるため、車輪の形状も見直した。

「ミズニゴール」は、後継者不足や耕作放棄などの課題を抱える小規模農家の声を受けて開発。現役で農業と子育てを行うハタケホットケ社員が、農家へのヒアリングを行って改良を重ねた。同社は2021年設立。「安心安全な無農薬の国産の食物を復活・再普及させること」をビジョンに掲げている。

サステナX

除草剤や農薬・化学肥料に依存した農業から脱却できない要因の一つは、除草作業の重労働にある。「ミズニゴール」のようなスマートアグリ技術によってその負担を軽減することで、有機農業へのシフトを後押しすることも期待できる。本製品は、内閣官房主催の「イチ Biz アワード」最優秀賞を受賞した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #オルタナ80号

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