ゴールドマンが生物多様性債券ファンド、SFDR第9条に適合

記事のポイント


  1. ゴールドマン・サックスは「生物多様性債券ファンド」を組成した
  2. SDGsが示す生物多様性の損失の阻止を目的とする
  3. SFDR第9条「持続可能な投資を目的」に従って開示する

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは2月27日、「ゴールドマン・サックス・生物多様性債券ファンド」を組成した。生物多様性に関連する国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標15「陸の豊かさを守ろう」と合致するファンドである。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のテーマは、「陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進」「持続可能な森林の経営」「砂漠化への対処」「土地の劣化の阻止・回復」「生物多様性の損失の阻止」である。

2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させること。これ以上、土地をおとろえさせない世界になるように努力することをターゲットとしている。

同社の「生物多様性債券ファンド」は、先進国市場と新興国市場における投資適格社債に投資し、EUサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)第9条「持続可能な投資を目的」に従って開示を行う。これにより、債券の収益が生物多様性関連のプロジェクトや活動に充てられる債券と、生物多様性の保全と修復を支援する収益を持つ企業が発行する債券の両方に投資することができる。

サステナX

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは米国ニューヨークに本社を構え、グローバルに投資家の皆様へ資産運用および投資助言サービスを提供する世界有数の資産運用会社である。

同社は、世界各国の年金基金、政府系ファンド、中央銀行、保険会社、金融機関、財団、個人投資家等に資産運用サービスを提供している。

同社のグリーン・ソーシャル・インパクトボンドのグローバル責任者であるブラム・ボス氏は、「近年、投資家の間では、純粋な気候目標だけでなく、生物多様性の維持・改善も検討する注目が高まっている。このファンドは、債券投資家に、生物多様性にプラスの影響を与えている発行体へのエクスポージャー(投資家や金融機関、企業が保有する金融資産のうち、市場の価格変動リスクや特定のリスクにさらされている金額や残高、その比率のこと)を提供することを目指している」と強調している。

muroi

室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #ESG

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