記事のポイント
- 海外には取締役会の運営を専門にする部署を持つ企業が多い
- 「コーポレートセクレタリー」という部署で、取締役の研修も行う
- 取締役会の「実効性」の向上にも一役買っている
英ユニリーバや米国のホーム・デポのように海外には「コーポレートセクレタリー」という部署を持つ企業が多い。株主とのコミュニケーション支援や取締役会および指名・報酬などの各委員会の運営などを担う部署だ。取締役会の「実効性」の向上にも一役買っている。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
人的資本経営では、取締役会が果たす役割が大きい。CEOが取締役会に提案した成長戦略について、取締役会では人的資本や知的資本などの非財務資本も含めて議論し、決議する。その後、取締役会は経営陣に経営執行の権限を移譲する。
特に重要なのが、監督側の取締役会の実効性だ。株主市場からの期待の整理や中長期の経営戦略の策定、業務執行のモニタリングなどは欠かせない。社外取締役と常勤取締役の情報格差の解消、取締役会と各委員会の連動なども必要だ。
こうした役割を担うのが、「コーポレートセクレタリー」だ。英国や米国ではこの部署を持つ企業が多い。取締役会の運営に加えて、取締役の研修、株主との関係構築、上級管理職と社外取締役との関係構築などがミッションだ。
■コーポレートセクレタリーは取締役会直下に