住友林業は、同社が設計・施工した東京農業大学学生寮の「青雲寮」で木造建築が心身の健康に与える効果を検証する。

寮は純木造3階建てで、大学の陸上競技部の学生が入寮する。国産材や大学所有で学生が林業の研究や実習で利用している奥多摩演習林の木材を活用し、国産材使用量は約7割。外壁や食堂の柱・梁などには奥多摩演習林を使用し、学生が木材の生産から加工、利用過程までを体感することができる。炭素固定量はCO2ベースで約316㌧。
同社の研究機関のこれまでの研究で、木が視覚・触覚・嗅覚から得られる刺激を通して、リラックスや疲労軽減、免疫力向上の効果があるとわかっている。今回の検証では、床の硬さや光、温湿度、香りや寮生の心理的・生理的な状態を測定する。既存のRC造の学生寮と比較して心身の健康や競技パフォーマンスに与える効果を調べる。検証結果は26年に発表予定で、木造建築の価値向上につなげていく。