記事のポイント
- みずほFGも国連主導の脱炭素枠組みNZBAから脱退した
- トランプ政権下で化石燃料産業への融資制限を行うことに批判が高まっていた
- NZBAには日本の金融機関は6行参加していたが、残り1行になった
みずほフィナンシャルグループは国連主導の脱炭素枠組み「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」から脱退した。NZBAはネットゼロを目指す金融機関による国際的枠組みだが、トランプ政権下で、化石燃料産業への融資制限を行うことへの批判が高まり、主要銀行の脱退が相次いでいた。日本の金融機関は6行が参加していたが、みずほFGが脱退したことで、残っているのは三井住友トラストグループのみとなった。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
NZBAには、44カ国・地域の130金融機関が参加する。脱炭素を目指す金融機関が参加するが、米国では共和党議員を中心にNZBAに基づく活動が反トラスト法違反との見方が高まっていた。
訴訟リスクを懸念し、NZBAからの脱退が止まらない。2024年12月に、シティグループとバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン、ウェルズ・ファーゴが相次ぎ脱退し、2025年1月7日にはモルガン・スタンレーも脱退を表明した。
日本の金融機関は6行が参加していたが、三井住友フィナンシャルグループ、野村ホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、農林中央金庫の4行が脱退した。残っていたのは、三井住友信託銀行とみずほフィナンシャルグループの2行だった。
みずほFGも脱退したことで、邦銀で残ったのは三井住友信託銀行のみとなった。
三井住友信託銀行の親会社である三井住友トラストグループの広報担当者は3月28日、オルタナ編集部の取材に「他社の脱退にかかる状況などは認識しているが、当社においては現時点(3月28日)で脱退について決まっていることはない」と答えた。
担当者は、NZBAからの脱退は否定したが、当面の間、留まる意向ではないことを指摘した。
加えて、「アライアンスの参加の有無にかかわらず、気候変動対応の重要性は変わらず、引き続き脱炭素化を目指して活動していく」とした。