■自信を持たなければクリエイティビティは生まれない
本田氏は、「世界は日本人が思っているよりも日本への興味が深い」とした上で、「日本から生まれた商品の認知は進んできているが、次は『なぜ生まれたのか』を考えるステージにきている」と指摘する。

これを受けて、講演会にゲストスピーカーとして登壇したクリエイティブディレクターの佐藤達郎氏は、日本人のクリエイティビティの発信力について次のように持論を展開した。「日本のクリエイティビティは世界に貢献しているのに、発信力が弱いため日本人の自信には繋がっていない。自信をもたなければクリエイティビティは出てこないのではないか。日本でクリエイティビティというと特殊に感じるが、既に世界で戦えるものは持っていることに気付く必要がある。」
■「脳育眠」は赤ちゃんの睡眠時間の解決策から
講演会では、日本のクリエイティビティの一例として、本田氏のブルーカレントがかかわったソーシャルマーケティング事例である、P&Gの紙おむつ「パンパース」の「脳育眠」キャンペーンが紹介された。
パンパースには赤ちゃんのおしりを最長12時間さらさらの状態に保てるという特徴があるが、すでに知名度が高い上に価格競争が厳しい紙おむつ市場で、どうすれば母親たちに選んでもらえるかという課題があった。そこで、生まれたのが「脳育眠」という言葉だ。