防災週間(今年は8月30日~9月5日)初日の8月30日(日)、サッカーと防災を組み合わせたユニークなイベントが東京・江東区の新豊洲で行われた。「social football COLO CUP」という東北復興のチャリティフットサルイベントの一環で、サッカー元日本代表の秋田豊さん(45)を迎えて、約100名の参加者がサッカーやフットサルを通じて防災や減災を楽しく学んだ。(CSR48=大西香奈恵)

サッカー・フットサルと防災というと一見無関係に見えるが、両者には「ディフェンス・アクション」という共通点がある。日本代表のディフェンダーとして活躍した秋田さんが今回はゲストコーチとして参加し、サッカー・フットサルと防災を組み合わせた練習などを一緒に行った。「ディフェンス さぼんなよ」「防災意識とヘディングは 誰よりも高く」と、サッカー用語を防災にかけた標語を掲げて参加しやすいイメージも持たせた。
■ドリブルリレーで「非常用トイレ」クイズを解く
まず行われたのが、「トイレ・コレクション」と名付けられた参加者による手をつないだドリブルリレーだ。震災時に必要となる「非常用トイレ」に関係した問題が出題され、正解のパネルをドリブルしながら見つける。イベントの冒頭に行うことにより、チームビルディングの効果ももたせた。
次に、震災時のトイレの処理の仕方を学ぶための「トイレ・クリーン」という、パスとシュートのゲーム。決められた範囲に投げ込まれたボールに必ずチーム全員がさわりながら、最後にシュートを決めるといったものだ。トイレは避難所では不衛生になりがちで、東日本大震災ではノロウイルスなどによる死者も出てしまった。ゲームではトイレは一人ひとりがしっかり処理して、全員で協力して運用する大切さを伝えるという。
いずれも参加者は災害時に避難所などで協力することになる近所の住民に見立てて、チーム分けされた。サッカーやフットサルの「チームワーク」と、防災時に大切とされる「共助」をともに身体を動かしながら学べる仕掛けだ。
■誰もが遭遇する災害を考えるきっかけに