RCFは今年度、岩手県から事業を受託し、「いわて三陸 復興のかけ橋プロジェクト」に取り組む。東北復興をきっかけに発足した同団体は、中長期的な地域振興や県外企業との協働事業を推進するための、ステークホルダー同士のマッチングや情報発信などを行う。本コラムでは、実際の活動事例を紹介していく。(一般社団法人RCF=荻布裕子)

NECネッツエスアイは、陸前高田市にコワーキングスペースを構えている。被災地に強く寄り添って活動を続けて来たその背景には、この会社ならではの現場主義があった。
同社は、NECグループのネットワークソリューション事業の中核を担う会社だ。東日本大震災直後には、津波で流された携帯電話の基地局を復旧させるため、自衛隊や警察、消防とともにいち早く被災現場に最前線部隊が駆け付けていた。数十社におよぶNECグループのなかでも、現場でのチームワークや判断に迫られることの多いこの会社には、他のグループ会社にない独特の現場主義が醸成されている。
■Yes,and…でたくさんの人の想いを集めた「ひまわりハウス」
陸前高田市竹駒町にたたずむ、温かみのあるログハウス。「ひまわりハウス」と名付けられたそのスペースは、NECネッツエスアイが運営するコワーキングスペースだ。平日11時から19時までいつでも立ち寄ることができ、扉を開けると常駐するスタッフがにこやかに出迎えてくれる。
情報通信を得意とする会社だけに、ログハウス内にはコワーキングに必要なパソコンやインターネット環境、タブレット端末などを備え、自由に利用できる。また、効率的に会議ができるよう、LEDプロジェクターや三つ折りのホワイトボード、テレビ会議システムがある。このほか、電気自動車の充電設備や、まちの復興の様子を定点観察できる監視カメラなど、最新の技術や製品が体験できるようになっている。