東日本大震災をきっかけに浮かび上がった社会の課題を、企業はいかに地方創生につなげられるか。こんな問いかけをテーマにしたシンポジウムが11月17日、東京・大手町で開かれた。企業の地域への関わり方として、これまでの「支援」という考え方から、新しい価値を共に創っていく「協働」への転換が注目された。(CSR48、キューアンドエー ビジネスディベロップメント本部=来栖香)
■東北復興支援により顕在化した課題

「地方創生チャレンジ in 東北シンポジウム― 東北を舞台に進める『地方創生』の社会実験と企業の関わり方を考える―」は、ジャパンソサエティー、NPO法人ETIC.、公益財団法人地域創造基金さなぶりの主催。「東北は地方創生のラボラトリーになりえるか」「データに基づく、社会実験のPDCA」「2020年までの東北と企業の関わりを考える」の3つのテーマで議論され、東北の復興に現在も関わり続けている企業経営者、CSR担当者、NPO代表などがパネリストとして参加した。
ダイバーシティ研究所の田村太郎代表理事は、「社会の前提条件が人口減少や経済収縮といった理由で変化している。公的な財源が削減され、震災復興でも従来のスキームが機能しておらず、復興がより長期化している」と指摘した。その上で、「今後どういうかたちで企業が東北と向き合い、日本の未来を見ていくか」という問題を提起した。
■「支援」ではなく、一緒に「新しい価値」を創る