東日本大震災を受けて、いまだ全国には約17万人の避難者がいる(復興庁)。東日本大震災から約5年が経ち、人々の記憶から薄れゆくなか、震災当初から長期的な復興支援を続けているのがジェーシービー(JCB)だ。5のつく日にJCBカードを使うと、利用1回につき1円が寄付される「『5』のつく日。JCBで復興支援」が、今年も2月に始まった。(ライター=瀬戸義章)

大切な人とふるさとの両方を失った深い傷から立ち直るには、5年はあまりにも早すぎる。しかし、あれだけ大きな被害を受けた被災地への支援も徐々に減っているのが現状だ。
JCBが実施する「『5』のつく日。」は2011年8月に開始した。今年は2月から5月が対象期間で、「5日」「15日」「25日」に利用された件数に応じて、1円が寄付される。支援金はJCBがすべて負担するため、会員はJCBカードで買い物をするだけで、被災地の復興支援に貢献できる。
第1回の支援金は約4000万円、第5回は約6150万円で、5年間の合計支援額は約2億5千万円にも上った。
■会員を巻き込んだ息の長い取り組みを
「もっと企業としてできることはないのか。阪神淡路大震災を経験した部下とともに、『長期的』でお客様の『参加者意識の芽生える』復興支援の仕組みを模索した」
「『5』のつく日。」の発案者であるJCB加盟店事業統括部の青木芳憲次長は、こう語る。震災後すぐに部下3人とプロジェクトの検討を開始し、経営陣に企画を持ち込んだ。