白書の策定公表以前には、「東京都女性活躍推進大賞」の授賞式もありました(白書の内容とは無関係)。それは決して、大手企業が対象ではありません。個人や中小企業、学校法人、社会福祉法人など、効果的影響力を発揮された取り組みが授与されたものです。
組織の属さずとも起業という形で活躍できるファームづくりをするNPO法人、女性役員が半数を占め生産性を高めた中小企業、理系大でありながら多くの女子学生を社会に輩出できるスキームなど、むしろ従来の大手企業では難しい取り組みを推進しているものばかりです。
東京都の「女性活躍推進白書」「女性活躍推進大賞」は、たまたま、女性の活用に着目してのアウトプットのひとつですが、その中身の好例に触れると、根幹には、生き方や働き方の多様に適用していることが共通しています。
企業が大きくなればなるほど、経営戦略として取り組むダイバーシティ推進の速度が、個人や働く側の変革の速度に追いついていけなくなるのは、もはや時間の問題でしょう。
旧式の組織や経営では、優秀な人材は雇用も活用もできない、となれば、事業運営がうまく運ばれるわけはありません。つまり、企業の発展も社会的信頼も成さなくなることは、既に十分認知されているはずです。あらためて、今まさに生き方や働き方の多様に適用していく変革が急務です。