
英化粧品ブランドのラッシュは3月11日、福島県いわき市産の有機和綿「備中茶綿」を使った風呂敷「Knot Wrap(ノットラップ)」の販売を世界49カ国930店舗で開始した。調達や環境に配慮したビジネスを行う同社は、ノットラップを世界で販売し、被災者の経済的自立と自信を持つためのきっかけをつくりたい狙いだ。(オルタナ編集部=小松 遥香)
ラッシュは今回、鯉とフルーツをモチーフにした2種類のデザインを発売。ノットラップ自体は、2008年から再利用できるラッピング素材として世界で販売してきた商品だ。 福島産有機コットンと米国産有機コットンを使ったノットラップは昨年、国内で先駆けて販売。世界で販売されるのは今回が初めてとなる。それぞれ大きさは縦横70センチで税込み800円で販売。
製品に使われる有機コットンは、いわき市で復興活動を行う「いわきおてんとSUN企業組合」から調達。同団体は、市民が主体となり、有機コットンの栽培のほか自然エネルギー事業、スタディーツアーを行い復興まちづくりに取り組んでいる。
震災後、同地域では風評被害や津波の塩害によって農業が衰退。同団体は、塩害に強く栽培をすぐに始められる綿花に注目し、栽培を2012年から始めた。