森のライフスタイル研究所の2017年の森づくり活動は、2月18日の千葉県山武市蓮沼殿下海岸の植林からスタートした。一般参加のボランティア、企業からのボランティア、総勢52名の手で約3,000本のクロマツの苗を植えた。森ライでは、今までにクロマツの他、ヒノキ、カラマツ、トベラ、マサキ、コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、イロハモミジ、ヤマボウシ、ブナ、ミズナラなどの木を植えてきた。針葉樹が3種、常緑広葉樹が2種、落葉広葉樹が7種。思い出して数えてみたら、思ったよりもさまざまな樹種を植えていた。

さて、世界に分布している針葉樹の種類は500種といわれている。それに対し広葉樹は実に20万種。ちなみに長野県に分布する針葉樹は亜種や変種も含み33種、広葉樹は568種を数え※1、日本国内でも広葉樹が圧倒的に多い。
スギやヒノキを植えた人工林も植えっぱなしにしておくと広葉樹林化してしまい、いわゆる雑木林になってしまう。日本の植生は北海道と高山地帯を除き、西は常緑広葉樹林、東は落葉広葉樹林となる。放っておけば広葉樹が生えてくるのだ。
ところが林業の世界では、建材に利用できるスギやヒノキ、カラマツなどの針葉樹にばかり注目が集まり、広葉樹となるとひとまとめに雑木(ざつぼく、ぞうき)と呼ばれてしまうことが多い。林業のベテランにこの木何の木と聞いても、広葉樹は種類が多いのでわからないという答えが返ってくる。
実際、自分たちも植林した樹種ならなんとかわかるが、それ以外の樹種は見当がつかない。せっかく豊かな森に恵まれた国にいるのに、これはちょっと残念なことだ。
※長野県博物誌1997年