
[Sustainablebrands.comから転載] 米南部バージニア州シャーロッツビルで12日に発生した白人至上主義団体と反対派の衝突に対するトランプ米大統領の言動に反発し、インテルや3Mなど米国の10企業・団体のトップが大統領の諮問機関「製造業評議会」を相次いで辞任した。各社は、ダイバーシティやサステナビリティに反すると辞任理由を表明。これを受けて、同大統領は16日、ツイッターで「製造業評議会」と「戦略政策フォーラム」の両諮問機関を解散することを発表した。(オルタナ編集部=小松遥香)
米国で政治と経済界の分断が加速している。大統領が自ら立ち上げた製造業評議会だが、6月にはパリ協定離脱に反対してテスラのイーロン・マスクCEOが辞任したばかりだ。
根強く残る、人種差別問題
1964年に米国で人種差別を廃止するために公民権法が制定され、今年で53年が経つ。南北戦争を経て1863年に奴隷制度が廃止されてからは154年だ。多くの血が流れた結果、同国は学校教育などを通して人種差別の問題に向き合い続けてきた。しかし2017年の現在もなお、米国において人種差別問題が繊細で根強い社会問題であることに変わりはない。
米国では近年、人種差別が起因となる殺人事件が続いていた。2015年6月、南部サウスカロライナ州チャールストンの黒人教会で起きた白人至上主義の男性による銃乱射事件で9人が死亡。それ以前の2014年8月には、中西部ミズーリ州ファーガソンで白人警官に非武装の黒人青年が射殺される事件が発生。その後も同様の黒人射殺事件が続き、各地で抗議デモが発生し、死傷者が出る事態に発展していた。