企業とその社会的ステークホルダーとの関係はこの10年、急激に変化してきた。その象徴的な現象が、NGOによる大規模な反企業キャンペーンが相対的に目立たなくなっていることである。かつて企業をCSRに駆り立てた推進力の一つがNGOとの衝突のリスクであったことを考えれば、背景を含めてこの変化を理解することは重要だ。(藤井敏彦)

まず、企業側がNGOとの付き合い方を学習したという側面は間違いなくあるだろう。ただ、これは二次的である。根本的な背景はNGO側において「対企業キャンペーン」を自らの存在理由にすることが困難になっていることにある。それがSNSである。
今や一個人が動画を投稿し拡散することで対企業キャンペーンは成立する。NGOという組織的媒介は必ずしも必要ではない。キャンペーン主体の個人への分解・分散がNGOに戦略転換を強いていると私は見ている。
藤井敏彦・多摩大学大学院客員教授
※この続きは、オルタナ53号(全国書店で発売中)掲載の特集『世界企業/NGOのパワーバランス』コラムでご覧ください。