海洋プラスチック汚染が騒がれるなか、独アディダスではNGOと組んで、危機を商機に変えた。海のプラスチックゴミを原料にしたシューズやユニフォームなどを開発し、サステナブルなブランディングに取り組む。 (独ハノーファー=田口 理穂、オルタナ編集部=池田 真隆)

同社が脱プラスチックに取り組み出したのは2015年。この年に海洋汚染に取り組むNGO ParleyfortheOceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャン、以下パーレイ)とパートナーシップ契約を結んだ。
パーレイの担当者とアディダス社の社員が国際会議などで顔を合わせることがあり、海洋プラスチック汚染の深刻さについて話を聞いていたという。そうしたなかで、「自社のマーケティング力をその解決へ生かせないかと考えた」(アディダスジャパン アンジェラ・オルティス・CSRシニアマネジャー)。
当初は、パーレイが行う海洋ゴミの回収を支援していたが、2017年からは同団体が回収したプラスチックゴミを原料にして製品を開発した。
開発したシューズの製品名は「ウルトラブースト パーレイ」と名付けた。パーレイが浜辺などにあるプラスチックゴミを風で海に流される前に集めたものを原料にした。
同社によると、「1足につき約11本分のプラスチックボトルの海への流入を防ぐ」計算だという。価格は2万円以上するが、2 0 1 7 年は100万足以上を売り上げた。
◆この続きはオルタナ54号(9月末発売)で掲載中の第一特集「ストローは序章:世界同時『廃プラ』の衝撃」でご覧ください。グローバル規模での使い捨てプラスチック問題を取り上げるとともに、国内の主要外食企業と主要コンビニチェーンにアンケート調査を実施しました。