
LIXILの小竹さん(左)と文響社の文字さん
世界ではいまだ3人に1人がトイレを使えない現状がある。トイレがないことで、細菌が体内に侵入し下痢を発症するなど、1日に800人以上の子どもたちが亡くなっているという。「世界トイレの日」(11月19日)に合わせ、世界の衛生問題に取り組むLIXIL(リクシル)は16日から19日まで、「うんこドリル」を展開する文響社(東京・港)と協働し、イベント「2018年 トイレはどこ? In 神宮外苑いちょうまつり」を開催する。(オルタナ副編集長=吉田広子)
■一通の手紙がコラボのきっかけに

LIXILは「2020年までに1億人の衛生環境を改善する」ことを目標に掲げ、開発途上国向け簡易式トイレ「SATO」の製造、販売を行っている。2018年3月までに世界で180万台以上を出荷した。
だが、「トイレ環境の整った日本では、トイレがないことによる衛生問題の深刻さが伝わりづらい」。同社Public Affairs部門グローバルコーポレートレスポンシビリティグループグループリーダーの小竹茜さんは啓発の難しさを話す。
どうすればより多くの人に世界の衛生問題に関心を持ってもらえるのか。模索が続くなか、2018年6月、LIXILに一通の手紙が届いた。差出人は「うんこドリル」を展開する文響社だった。
「NPOなどとの活動を通して、学校のトイレに行けない子どもたちの問題を知った。トイレに行くのを恥ずかしがったり、便秘になってしまったりする子どもたちがたくさんいる。日本と海外の状況に違いはあるが、『うんこドリル』を使って何か手伝えないかと考えた」。文響社出版マーケティング部の梶山祐加さんは経緯を語る。
LIXILとしては「願ってもない話。もともとコラボレーションしたいと考えていたので、とても嬉しかった」(小竹さん)。こうしてすぐにコラボレーションの話が進んだ。
■「うんこ先生」の力で認知度高めたい