
デモ隊の標語に「気候ではなく社会の仕組みを変えよう」、「汚染者、採掘者は金を払え」「マクロン、富裕税を元に戻せ」があった。マクロン政権は不動産にのみ富裕税を残し、他は廃止した。富裕税は2016年度で52億ユーロ(約6750億円)にのぼった。
残しておけばエネルギー移行の財源にすることができたはずだ。一握りの富裕層が税金を払わず一番環境に悪いことをし、社会的に弱い層がそのツケを払わされている―「黄色いベスト」運動で、環境派は、それが自分の国で起きていることに気づいた。
温暖化対策は緊急事項だが、弱い人々を犠牲にして行ってはならないことが共通認識になった。市民は炭素税を払うのに、飛行機、船には炭素税が免除されていることの不公平さも問題視された。
12月10日、沈黙を守っていたマクロン大統領が、「黄色いベスト」に解決策を示した。そこに、富裕税廃止を撤回する案はなかった。