ビールにソーセージ、クリスマス・マーケットやオーガニック・スーパー、石畳の道に古城。今秋、環境先進国と言われているドイツに、自然エネルギーの普及状況を視察に行ってきました。今回は自然エネルギーだけではなく、ドイツで見てきた「持続可能な暮らし」をテーマに報告します。(グリーンピース・ジャパン エネルギー担当=石川せり)
■月明かりを楽しめる省エネの街
10月間近のドイツは、日本とは打って変わって最高気温が15度程度とすでに寒く、目覚めた朝7時は夜明け直後のような明るさしかありませんでした。出張初日から冬のヨーロッパに来たことを実感する朝を迎えました。私は夜にハンブルクに到着したのですが、街全体の灯りがとても暗いことに驚きました。現地のグリーンピースの同僚によれば、これも省エネの一環だそうです。東京の街の灯りになれた私には、ちょっと怖いと感じるくらいの暗さでしたが、数日後には煌々と光る夜の街よりも、月明かりを楽しめる夜もいいなあ、と思うようになりました。
ハンブルクは、ドイツ北部にありエルベ川が街中に流れる港町で、かつて倉庫として使われた赤レンガの建物がいまでも残り、あたり一帯の倉庫街は世界遺産にもなっているそうです。現在はオフィスやレストランなどとして使われていますが、外観は当時のままになっており、建築好きな私には心が弾む街でした。

港にはたくさんの風車の姿があり、ドイツが自然エネルギー先進国と言われる理由がわかります。よく「自然エネルギーは安定しない」との声がありますが、朝でも夜でも風に吹かれてまわる風車が印象に残りました。

■持続可能な社会を目指す電力会社