世界の食料問題の解決に取り組むNPO法人テーブルフォーツー(TFT、東京・港)は、国連が定めた「世界食料デー」(10月16日)を記念し、「100万人のいただきます!」キャンペーンを10月16日から11月30日までの1カ月半展開する。
TFTは、先進国の生活習慣病など飽食の問題と開発途上国の飢餓問題の同時解決を目指して活動を行っている。社員食堂やレストランなどで、栄養バランスを考えたTFTヘルシーメニューを提供し、一食の売上のうち20円を、アフリカの子どもの給食1食分に充てるプロジェクトなどを実施している。
今回のキャンペーンでは、ファミリーマート、スリーエフ、ビッグエコー、カレッタ汐留、オイシックスらが、TFTの寄付付き商品を店舗やレストラン、商業施設で販売する。
ファミリーマートは、菓子メーカーの味覚糖(大阪市)と開発した「おいしいゼロのど飴」(税込198円)を約8000店舗で10月26日から販売する。売上の3%がTFTを通じてアフリカの子どもたちの学校給食になる。同社が、09年10月から4月まで、TFT寄付付き「ノンシュガーコーヒー&ミルクキャンディ」を販売したところ、22万個を売上げ、132万円をTFTに寄付したという。

オーガニック食材のネットスーパー・オイシックス(東京・品川)は、08年からベーグル、水、納豆などのTFT対象商品を販売している。今年9月末までに、約27万食をTFTを通じてアフリカの子どもたちに提供した。10月14日からは、4000個限定で「TFTハロウィンシールつき ぼっちゃんかぼちゃ」(税込292円)の販売を始めた。高島宏平代表は、「TFTブランドのベーグルは、他のベーグルに比べて10円高い。だが、売上は1割多い。消費者の社会貢献意識の高さを感じる」と話す。
これまで、企業や官公庁、大学、病院など約330団体が、TFTのプロジェクトを導入し、約512万食(約23300人の1年分の給食に相当)がアフリカのウガンダ、ルワンダ、マラウイの子どもたちに届けられた。TFTは、07年10月設立とまだ新しいNPOだが、すでにNYのレストラン2店舗でTFTメニューの提供が始まっており、日本発の社会貢献プロジェクトとして注目が集まっている。
(オルタナ編集部 吉田広子)