
NEXCO東日本は6月12日、「高速道路」と「福祉」を連携させる「高福連携」の取り組みを山形自動車道上り線櫛引パーキングエリア(山形県鶴岡市)で行った。地元の障がい者支援施設「鶴岡市ゆうあいプラザかたぐるま」と「特定非営利活動法人いなほ作業所」の施設利用者、NEXCO東日本鶴岡管理事務所の社員らが協力し、色とりどりの花の苗計600株を植えた。(サステナビリティライター 芝玲美)
「高福連携」は、「高速道路」と「福祉」が連携した取り組みで、「農業」と「福祉」が連携して地域の課題解決を目指す「農福連携」からヒントを得たものだ。高速道路を地域資源ととらえ、地域の福祉施設や障がい者の人たちとの連携を通じて、地域社会の活性化に貢献することを目的としている。
これまで高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の美化作業や物品販売などを行ってきた。
■色とりどりの花でPAを彩る

12日に行われた「高福連携」の花壇整備では、梅雨にもかかわらず天候に恵まれ、青空が広がった。同社鶴岡管理事務所の布施光啓所長は、「夏の行楽シーズンを迎えるにあたって、多くのドライバーが立ち寄ることになる。花壇の花々が、ドライバーたちの癒しになれば」とあいさつした。
「かたぐるま」からは施設利用者13人と職員3人、「いなほ作業所」からは施設利用者5人と職員2人が参加し、青いアメリカンブルー、ピンクや白のナデシコ、赤と黄色のマリーゴールドの3種類の花の苗計600株を花壇に植えた。
施設利用者たちは、「青が好きなので青色のお花を植えた。訪れる人にやさしい気持ちになってほしい」、「一生懸命植えたので、見る人にそれが伝わると嬉しい」と話す。「いなほ作業所」の施設職員によると、「NEXCO東日本との活動は、外部の方と関わることのできる良い機会。皆進んで参加したがる」という。

施設職員によると、参加者の得意なことに合わせて作業を分担しているという。苗ポットをひたすら外す人、苗を植える人、水を与える人、苗ポットの抜け殻を集める人――など役割が綺麗に分担され、各自が陣地をしっかり守っている。苦手な部分は他人に補ってもらい、得意な部分で貢献する。パートナーシップの原点をここに見たような気がした。
花を植え終えた後は、布施所長と施設利用者たちが、一緒に看板を立てた。布施所長は、「今後もかたぐるま、いなほ作業所の皆様と協力しながら、積極的に頑張っていきたい」と意欲を見せる。

■除雪作業をきっかけに地域連携進む