◆オルタナ本誌 連載「エシカルファッションの旗手たち」(57号)から

ここ1、2年、ラグジュアリーファッションの世界で、エシカルの風が急激に吹き始めている。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の波は、確実にファッション界にまで及んでいる。ファーやレザーに対する姿勢で、もっとも早くからエシカルな姿勢をとってきているのは、ステラ・マッカートニーだが、ジョルジオ・アルマーニ、グッチ、プラダと、ファーフリー宣言は今、後を絶たない。(生駒 芳子)
昨年末にはシャネルもエキゾティックレザーの使用を廃止することを発表。ルイ・ヴィトンは90年代初頭から全社で環境問題に取り組み、ボッテガ・ヴェネタも就労環境評価の国際規格SA8000をいち早く取得。今やエシカルであることが、ラグジュアリーの必須条件となりつつある。
そんな状況の中、ひときわ目立つのが、ものづくりのあり方からエシカルを考慮する「アニオナ」の取り組みだ。「アニオナ」と聞けば、まさにイタリアンラグジュアリーのシンボル、ファッション業界では、カシミヤの最高峰ブランド。その「アニオナ」が、リサイクルカシミヤ、さらにはエターナルデザインに取り組んでいるという。
創業者フランチェスコ・イロリーニ・モは、世界中を旅して、各地で最高峰の素材を見つける冒険者だった。それを最先端の開発技術でクオリティを極め抜いた素材に仕上げることで、自らのブランドの展開に加えて、1960年代からはパリのトップ・デザイナー、トップ・ブランドに愛される存在となる。以来、「上質なカシミヤといえばアニオナ」という確固たるステイタスを確立。21世紀に入り、そこからさらなる進化を目指す挑戦が始まっている。
※この続きは、オルタナ57号(全国書店で発売中)掲載の連載「エシカルファッションの旗手たち」をご覧ください。
生駒 芳子(いこま・よしこ) 雑誌VOGUE、ELLEを経て、2004年よりmarie claireの編集長を務める。08年10月に独立後、ラグジュアリー・ファッションからアート、エシカル、社会貢献、伝統工芸の開発事業まで幅広いトピックを追うジャーナリスト・プロデューサーとして活躍。