(2)現在進行形の国が注力している「フロン問題」
国民の大多数は、上記の「特定フロン」対策の経緯から、「フロン問題はすでに解決している過去の問題である」と認識してしまいました。
しかし「特定フロン」に代わって使用されている「代替フロン」には、二酸化炭素の100倍から10000倍以上の温室効果を持つことが判明したのです。
現在問題となっているのは、この代替フロンの温室効果です。地球温暖化への対策が世界的な課題となる中、二酸化炭素よりも圧倒的な温室効果をもつ「代替フロン」の漏洩を減少させなければ、地球温暖化を抜本的に解決することができない、ということが明らかとなったのです。
この問題を解決するために、国は2016年、機器廃棄時におけるフロン回収率目標値を2020年に50%、2030年に70パーセントと設定しましたが、実際には現在も30パーセント台に低迷し、なかなか「代替フロン」の回収率はあがっていません。
そこで、このような状況を打破するため、冒頭で述べたとおり、国は、罰則を強化して実効性を上げるために、フロン排出抑制法を改正したのです。