気候変動対策など持続可能な社会に向けて取り組む金融機関を表彰する「第5回サステナブルファイナンス大賞」の表彰式が22日開かれ、城南信用金庫が大賞を受賞した。同金庫は、2011年の東京電力福島第一原発事故を契機に再生可能エネルギーに向けた金融商品を積極的に開発・展開。2018年には国内金融機関で初めて事業電力の再エネ100%を目指すイニシアチブ「RE100」に加盟し、1年半でその目標を達成したことなどが高く評価された。(オルタナ編集部=堀理雄)

同大賞は、環境問題を金融の手法で解決する「環境金融」の普及・啓蒙活動を行う環境金融研究機構(RIEF)が2015年に始め、今回で5回目。日本でのサステナブルファイナンスの普及・発展を目指し、大賞・優秀賞のほか、グリーンボンド(環境債)賞、地域金融賞、NPO賞などを設けている。
東京都や神奈川県を中心に店舗を展開する城南信用金庫は、地域金融機関として初めて大賞を受賞。RE100の取り組みをはじめ、石炭火力発電事業向け融資の全面停止やESG(環境・社会・ガバナンス)投融資推進などの取り組みが、サステナブルファイナンスのリード役として高く評価された。
城南信用金庫の川本恭治理事長は受賞にあたり、「地域そのものを奪う原発事故をきっかけに、将来性に満ちた再エネ推進の取り組みを進めてきた。地震だけでなく近年台風や水害が相次ぐなか、そこから何を学ぶのか、地域の皆さまの幸せを目指す信用金庫として大きな責務を感じている」と述べた。
佐藤泉審査委員長は、「多くの企業はRE100を長期的な目標とするなか、城南信用金庫はそれを短期間で実践した。また原発事故後の脱原発宣言など素早い決断力や、『節電プレミアムローン』など顧客とともに温暖化対策を実践していることも高く評価した」と講評した。