「生物多様性と自然が本当にかつてないほど衰退している様子を記録した。衰退のペースや脅威の規模という意味で、人類史上このような現象はまったく前例がない」ーー米ミネソタ大学 ケイト・ブラウマン博士

時間は、いましかない
人間の活動によって100万種の動植物が絶滅の危機にさらされているという報告書は、簡単に読み終えられるものではありませんでした。IPBESという国際組織が発表したこの報告書は、世界に衝撃を与えました。
動植物の約25%が絶滅にさらされていること、さらには、地球の平均気温が2度に達した場合、生物種の5%が絶滅リスクにさらされることを明らかにし、過去1000万年の平均より10倍から100倍速いスピードで多様な種が絶滅していると世界に警告したのです。
しかし、研究を行なった科学者たちは、いまならまだ多様な種の損失を防ぐことできるということも同時に教えてくれました。言い換えると、巨大なほ乳動物から小さな昆虫まで、地球上にある豊かな生態系を守る時間は、いましかないのです。