
新型コロナウイルス感染対策で、世界ではたくさんの動物園や水族館が閉鎖されている。米シカゴのシェッド水族館は、休館のため無人になっている館内をペンギンが歩き回る動画を公開し、多くの人たちがアクセスした。この非常事態で動物たちが普段と違うことをしている例は、ほかにもある。(チューリヒ=岩澤里美)
■退屈する動物園のサルたち
動物園では訪問者がいない日が続き、動物たちに変化が表れている。すべての動物ではないが、サル類が少し退屈しているという声が、あちこちの動物園から届いている。
動物園は動物を見物する場所だが、スイス・バーゼル動物園の職員は「動物、とりわけサル類は、訪問者たちをじっくり観察しています。訪問者の存在は重要で、その代わりになるものはありません」と説明する。
こう確信するのは同園の経験からだ。同園では数年前にサル園の改装工事があり、1年間、チンパンジーとゴリラは訪問者に接する機会がなかった。「当時、いろいろなことを試しました。サルたちに、テレビで人間を見せることもしてみましたがダメでした。サルたちは、本物の人間を見たがっていたからです」。

チューリヒ動物園でも、サルたちは訪問者を待ち望んでいる様子だという。この変化によってサルたちはうつ状態になることはないものの、両園では、サルに何かをしてもらって気を紛らわすことができないかと考えた。
そこで、チューリヒ動物園では、片手でつかめる太さの切った枝に穴を開け、凍らせたレーズンを穴に詰めて、サルたちに与えることにした。サルたちは小枝を穴に差し込み、かきだしながらレーズンを食べている。
コインスライダーと似た道具も用意した。やはり小枝を使って、ナッツを上段から下段へ落としていき、最下段の穴からナッツを落とすと食べられる仕組みだ。ただ単に、大きめの空の袋も与えている。サルたちは、ナッツが入っているかもと好奇心をそそられて、懸命に袋の中をチェックするからだ。
■鳥は大きな声でさえずる