持続可能な漁業の普及を推進するMSC(海洋管理協議会、本部:英ロンドン)が、世界2万人以上を対象に実施した消費者調査によると、世界平均で33%、日本でも30%が「海洋環境や水産資源の保護につながる製品に切り替える意思がある」と回答した。同団体は6月8日の「世界海洋デー」を機に「小さな『海のエコラベル』を選んで、大きな海を守ろう」というキャンペーンを世界規模で始めた。(野口知世)

今回の調査はグローブスキャン社に調査を委託した。世界23カ国、計2万人を超える消費者を対象に行っている。日本では特に意識が高いのが18~24才の若者で、3人に1人が「2040年には好きな魚が食べられなくなってしまうのでは」と不安に感じ、実際に消費行動を変えたと答えている。
具体的には、調査回答者の12%が「購入する魚種を変更」、12%が「購入先を変更」、2%が「海洋環境や水産資源の保護につながるとされる製品サステナブルシーフードへ変更した」という。それより上の世代はやや楽観的な見方で、懸念を示しているのは4人に1人であることも分かった。
グローバルキャンペーン「小さな『海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう」は、海のエコラベルの認知を向上させ、ラベルの付いた商品を消費者に選ばせることが目的だ。2020年4月末時点で、世界約100か国で40,000品目以上の海のエコラベルの付いた水産品が販売されている。
日本では約900品目が登録されており、イオングループ、生協、セブン&アイグループなどで販売されている。MSCはTwitterで人気の「しかるねこ」キャラクターのオリジナル動画を通じて、いつまでも魚を食べられるようにするべきことを伝えていく。