「京野菜を無駄なくおいしく食べ尽くそう」と、ミツカングループはこのほど京都市と食品ロスに関する連携協定を結んだ。京野菜を活用したピクルスや鍋などのメニュー企画や、普段は食べない部分まで京野菜をまるごと使ったペーストの開発などを進める。企画・開発面での同社の強みを生かし、食品ロス削減の先進的な取り組みを進める京都市との連携を通じて「食の循環経済」を目指す考えだ。(堀理雄)

協定では京野菜など京都独自の食文化の普及とともに、食品ロス削減に向けた啓発活動を連携して実施する。非可食部も含め野菜をまるごと使った「ZENB」ペースト(ZENB JAPAN)の京野菜版の開発など具体的な内容も盛り込んだ。
京都市は「新・京都市ごみ半減プラン」に基づき、2000年度の食品ロス9.6万トンを17年度に6.4万トンに削減するなどの取り組みを進めてきた。同市は今回の連携協定と同時に、食を通じた循環経済(サーキュラーエコノミー)を目指す国際的な連携「フードイニシアティブ」に国内自治体で初めて加盟した。
英国のエレン・マッカーサー財団が主導する同イニシアティブには、ダノンやネスレなど11の企業・団体、ニューヨークやロンドン、サンパウロなど15の都市が加盟。「再生可能な農業」「食品利用の最大化」「人にも地球にも優しい商品と市場の設計」の3つを柱に活動を進めている。
2019年から加盟しているミツカングループが、国内で食品ロスの先進的な取り組みを進める京都市に打診し、このほど同市の加盟が実現した。連携協定に基づいて実施する取り組みの成果を同イニシアティブで発表し、国際的な連携強化にもつなげていく考えだ。

ミツカングループは今回の連携協定について、「家庭や農場で出るごみを減らすだけでなく、新しいおいしさが発見でき、より健康的な食生活につながるような取り組みをめざす」と述べている。