「光る街路樹」で省エネも

アルーメン社は2018年1月に正式に設立された。デンマーク工科大学で発光藻類の研究をしていたクリスティアン・アイルステッドCEOと、デザインと改革を学んだシーン・フリス・シャックさん、企業経営と心理学を学んだマイケル・スペンドラーさんの3人で立ち上げた。いずれも20代前半だ。
同社の目標は、この光る藻の遺伝子コードを木の細胞に適用することだ。木が育ち、光合成によって夜間に光るようになれば、発光樹として街を照らすことができるというアイデアだ。デンマークでは、ほとんどの街灯がLEDランプに置き換えられているが、もし発光樹が現実になれば、電力はさらに抑えられる。
クリスティアンCEOは、どの遺伝子をどう適用できるかの研究に日々励んでいる。「実現不可能かもしれない。だが、テクノロジーが発展すれば、20年以内にこの街路樹エコライトへの大きな一歩を踏み出せるかもしれない」(クリスティアンCEO)
同社は目下、政府も含めて資金援助を得ようと働きかけている。 11月からは、水の浄化製品を販売するアクアポーリン社の協力を得て、無料でオフィスと実験室の提供を受けた。生まれたばかりのビジネスは、1歩ずつ進んでいる。
*雑誌オルタナ55号(2018年12月17日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載