グローバル企業の抑止力に

「エシカルという考え方は、ただ漠然と『良いことだから』やるのでは続かないし、広がらない」。間瀬代表は高校の授業でブラジルやタイの貧困や児童労働の実態を知り、ショックを受けた。大学では国際経済学を専攻し、「フェアトレード」を知った。
卒業後は外資系IT企業でセグメントマーケティングに従事。結婚・出産後は夫の赴任に伴い、ロンドンとシアトルに移住し、エシカルショップを見て歩き、フェアトレードについて学んだ。
ずっと、「エシカル」や「フェアトレード」を何かの形にしたいと考えていた間瀬代表は、帰国後にシナリービヨンドをオープンした。現在、ロンドン、ニュージーランド、米国、フランスなど世界の9ブランドを取り扱っている。
グアテマラの伝統的な絣(かすり)織のテキスタイルから職人が手で作るシューズブランド「The Root Collective」や、ガーナの伝統的な手織りや手染めのプリントで作る「OseiDuro」など、日本初上陸のブランドが並ぶ。今後は子ども服や生活雑貨も扱う予定だ。
間瀬代表は、「まず、日本市場に『エシカル』というメッセージを発信したい。それが最終的にグローバル企業に伝わり、抑止力になればと考えている。今の日本のファッションの在り方をすべて変えようとするのは非現実的。消費者の意識が変わるような流れをつくりたい」と意気込む。
*雑誌オルタナ49号(2017年6月29日発売)「世界のソーシャルビジネス」から転載