■世界のソーシャルビジネス アジア・オセアニア編 インドネシア
インドネシアのスクナン村は、コミュニティービジネスをユニークな手法で軌道に乗せた農村である。ジャワ島中部に位置する人口約1100人、300 世帯が住むスクナン村は「ゴミ」による村おこしを成功させたのだ。この村では「生ゴミのコンポスト化」「資源ゴミの分別回収」「リサイクル雑貨の製作」などリサイクルに関するさまざまな事業が行われている。(瀬戸 義章)
発展途上国で排出される割合の最も高い廃棄物は生ゴミだが、スクナン村では各家庭に素焼きのコンポスターを設置し、堆肥にしている。残りのプラスチックゴミや瓶、缶、鉄くずなどは分別回収され、定期的に業者に売却されている。2カ月分の販売額は約7千―8千円だ。インドネシア都市部の平均月収は約2万円であることから、侮れない金額である事が分かる。また、廃材リメイクも活発であり、飲料のプラスチック容器をリメイクしたバッグや財布が100円から数千円で販売されている。
ここまでならば、類似の取り組みをするコミュニティーは珍しくない。スクナン村がユニークなのは、こうしたリサイクル活動そのものを「観光資源」にしていることだ。

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