■水の飲み方を持続可能に
こうした使い捨てプラスチックごみ問題に取り組むのが、独浄水器メーカーのBRITAだ。1966年創業で、世界60カ国以上で事業を展開している。日本ではポット型の浄水器が有名だが、欧州では業務用ろ過システムの開発なども行っている。
BRITAは深刻化する気候変動や海洋プラスチックごみ問題に危機感を募らせ、製品と企業活動を通じたソリューションの提供を目指す。
その一つが、浄水器の普及だ。BRITAの浄水器で水を1リットルろ過すると、ペットボトル削減になるだけでなく、CO2排出量がペットボトルの水1リットルよりも最大で27分の1に減るという。
2017年にはBRITAでろ過された水だけで32万トンのCO2排出量を抑制した。
これは、15万台の自動車の年間CO2排出量に相当する。さらに「水の飲み方を変える」商品開発にも力を入れ、2017年に持ち運びできるボトル型浄水器「フィルアンドゴー」を発売。2018年にはスクィーズタイプの「フィルアンドゴー アクティブ」を投入した。
ペットボトルを買わなくても、いつでもどこでも水道水を浄水しておいしく飲むことができる商品だ。
BRITA製品を繰り返し使うことは、すぐにごみとなる使い捨てプラスチックの使用量を減らすとともに、CO2を減らすことにもつながっていく。
■組織を超えた連携を

日本法人のブリタジャパンは2019年6月、「BRITA Eco Water Action 2021」(ブリタ・エコウォーター・アクション2021)を立ち上げた。同社は荒川河川敷のクリーン活動、富士山の育林活動など、環境保全への取り組みを実施してきたが、自社の活動にとどまらず、組織を超えた連携「コレクティブ・インパクト」を進め、使い捨てプラスチックごみ問題の解決を図るのが目的だ。

その一環として、2019年にはマイボトルを持つ人を増やすためのアイデアを学生から募る「BRITA学生マイボトルコンテスト」を開催。「マイボトルを持つ人を増やすにはどうすれば良いか」をテーマに、学生から自由な発想を募集した。
マイボトル専用自販機や給水スポットサインの提示、マイボトルの利用をポイント還元する仕組みなど、多彩なアイデアが集まった。