日本の食品ロスの内訳は事業系廃棄物由来が約357万トンであるのに対し、家庭系廃棄物由来が約289万トンと、食品ロスの約半分は家庭から出ていることになる。
事業系の食品ロス削減は不可能ではないが、かなり難しいだろう。それは、事業の仕組み全体を変えなければならないことになり、コストは膨大なものになってしまうからだ。

実は、このことが目標達成を阻んでいる原因の一つなのである。ほとんどの食品関連企業が関心を持っていないことも重大な問題だ。要は、私たちが家庭レベルで食品ロスをなくす努力をしなければならないということである。
世界の食料廃棄量は年間約13億トンにも及ぶが、これは食料のおよそ3分の1にあたる。私たちが最も考えなければならないことは、今現在飢餓に苦しんでいる人々が世界中に約8億人もいる、ということであり、5歳未満の子どもたちの約1.5億人は発育阻害という状況であるということだ。