次にファッション産業の問題を解決させるためにもサステナブルマテリアルが取り入れられている。例えば、アパレル企業の廃棄問題が世界中でも問題視されている。この課題に取り組んでいるのが色別に服を仕分けし、細かく繊維状にして再度糸に仕上げるという取り組みだ。
画期的なこのシステムは在庫削減の1つの手段として今後もっと広まって欲しいと思う。ただ、こちらは現段階では仕分け可能な繊維が限られているため課題が残る。
次は、要らなくなった洋服からリサイクルされたポリエステル素材。今まで、リサイクルというと単繊維すなわち、1つの素材100%で生産された生地のみリサイクルが可能だったものが、技術の進歩によって、今まで最大の課題だった混紡素材もリサイクルができるようになった。加えて、昨今では繊維はリサイクルされるのが当然というような、ネクストライフの循環も見据えたリサイクル素材も出てきている。
このように、サステナブル素材は今までの開発の中で、次々と課題をクリアにしてより循環型に日々進化している。消費者の立場で考えれば、次はどんな新しいリサイクルの繊維が出てくるのだろうと少しワクワクもする。

最後に、最大の課題として上げられるのは、私たち消費者の意識に「服は資源」という概念が定着していないことだ。服は古くなったら廃棄という概念がまだまだ根強く、いまだに燃えるゴミとして洋服を出しているケースが多いと聞く。
せっかく素材がものすごいスピードで進化しているのに、そのスピードに対応しきれていないのは私たち人間なのだ。まずは「服は資源」という意識を根付かせ、また社会全体で洋服の循環できる仕組みを考えていかなければいけないと思う。