
米PRエージェンシー・エデルマンの調査報告書「エデルマン・トラスト・バロメーター2021」によると、日本では、最も信頼できるセクターが「企業」、次に「NGO/NPO」が続き、「政府」(3位)、「メディア」(4位)を追い抜く結果となった。
社会課題解決の担い手としてNPOへの期待は高まる一方で、NPOやその活動内容の認知度はそれほど高くなく、支援が集まりにくいのが現状だ。
そうしたなか、JCNEは、NPOの信頼性を証明する認証制度「グッドガバナンス認証制度」を立ち上げ、組織としての信頼性を「見える化」することで、支援者との架け橋になることを目指す。具体的には、組織のマネジメント力やリスク管理、コンプライアンス、財務と会計など、第三者としてガバナンス(組織統治)を評価している。
3月に発行した「Good Governance Voice2021」では、この「グッドガバナンス認証」を取得した30団体を紹介。NPOの活動や「役に立った」という生の声を紹介することで、知るきっかけを提供し、協働を促すことが目的だ。
病気で失業、NPOの支援に感謝の声
認証団体の一つ、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(東京・新宿)は、「日本の貧困問題を社会的に解決する」というミッションのもと、生活困窮者への支援や居場所づくり、政策提言活動などを行っている。
相談者からは感謝の声が届く。
「病気で仕事ができなくなり正社員を解雇され、アルバイトを掛け持ちして生活する日々に精神的にも肉体的にもボロボロになり、どうにか身体に負担のないようにできないかと調べていたところ、生活保護の文字が目に入りました。1人で相談に行くと水際作戦で追い返されるなど、調べるほどに不安が増してきました。そんな時に〈もやい〉を見つけ相談に行ったところ、みなさん優しくて本気で心配してくれました。生活保護になってからは色々安定しました。部屋を見つける時は大変でしたが、〈もやい〉で紹介頂き、現在の満足いく部屋に巡り合えました。本当に感謝の一言です」
同じく、認証を取得した認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本・東京(東京・新宿)は、知的障がいのある人たちにスポーツトレーニングと、その成果発表の場である競技会を、年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織だ。
プログラム参加者の母親からは次のコメントが寄せられている。
「バスケットボール・プログラムに参加して、17年。仲間も増え、スペシャルオリンピックスは、娘にとってかけがえの無い場所となっています。先日、妹が夕食の時に『お姉は、今幸せ?』と何気なく聞いたら、微妙な質問にはすべて『わからない!』と答えることを決め込んでいる娘が、この時はキッパリと『うん、幸せ。だってバスケがあるから!』と、胸を張って即答でした。スペシャルオリンピックスのお陰で、娘も私たち家族も、豊かな時間を過ごすことができています。今日もまた、大好きなバスケットボールの練習の準備に余念がない娘です」
NPOの活動事例を集めた「Good Governance Voice2021」は、非営利組織評価センターのウェブサイトから無料でダウンロードできる。
●「Good Governance Voice2021」