一方で、電気自動車(EV車)製造を推進する環境には、出し惜しみなく資金を提供している。
EV車製造には、基礎研究をビジネスに発展させるまでの過程において、技術支援を資金面で支える仕組みが用意されている。また助成金については、電気自動車製造を可能にする技術だけでなく、電気自動車を「普及させる」ための技術やサービスにも用意されている。
さらに消費者に対し、電気自動車を購入することで得られる金銭的、地位的メリットを付与させることで、いち早く電気自動車が普及していく仕組みを構築している。
こうした州の政策が「複数のステイクホルダー」に行き渡っていることで、全体として利益が享受される仕組みを創造することに成功している。
その結果、電気自動車を軸に、野心と知恵のある人々がカリフォルニア州に集まる土壌が出来上がり、一気に環境対策が進むという「相乗効果」が起きている。テスラ社の成功はその代表的な例だが、続々と電気自動車メーカーや関連事業にまつわる企業が誕生した。
オルタナ注目のカリフォルニア発EV関連事業者リスト
今回筆者が調査した情報をもとに、自家用車から商業向けトラックまで、カリフォルニアを拠点とするEVメーカー及び、EV普及を牽引するビジネスをリストアップした。

テスラ社のように、すでに世界シェアを握る企業から、農業用自動運転コントラクターまで、規模も販売台数も大差があるものの、同じ電気自動車というカテゴリーの分野で、これだけの多くの企業が切磋琢磨している環境に、多くの人材が集まってくる理由があるのかもしれない。

©2020 Jeff Johnson