アサヒグループホールディングスはこのほど、「ふぞろいのストロープロジェクト」に参画することを発表した。同プロジェクトは、企業や農業生産者、社会福祉法人、教育機関などが連携し、麦の茎から作る「麦わらストロー」を普及するための枠組みだ。海洋プラスチックごみ問題の解決とともに、麦わらストローの生産を通じて、地域経済の活性化や障がい者の就労機会の創出を目指す。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「ふぞろいのストロープロジェクト」を主催する広域連携事業推進機構(東京・中央)は、産官学民一体となって、社会課題の解決に貢献することを目的に、2021年4月に設立された。
プロジェクト名の「ふぞろい」には、「麦わらストロー」の産地やサイズといった様々な違いを楽しんでもらいたいという思いと、地域や組織の垣根を超えたステークホルダーの多様性という意味が込められている。
同プロジェクトでは、2021年は「麦わらストロー」の製造方法や品質管理の確立、販路開拓などに取り組む。プロジェクトに参画する農業生産者が麦わらストローを生産する。
さらに、加工工程の一部を福祉団体・就労支援施設に委託し、障がい者の自立支援を目指す「農福連携」も推進する。
麦わらストローは麦わらを丁寧に収穫し、適切な加工をすることで、水分を含まず柔らかくならない使用感の良い飲料用ストローになるという。
麦の収穫時期である5月中旬から順次麦わらストロー作りを開始し、全国で1000万本を製造するのが目標だ。
アサヒグループは、ものづくりの技術力や社外とのネットワークを活かし、「麦わらストロー」の生産拡大・活用促進に向けた情報発信や生産技術開発支援に取り組むという。
製造したストローはワークショップなどで使用するほか、2021年8月を目途に、同プロジェクトに参画する飲食店や企業・団体などに販売する予定だ。