戦略的コミュニケーション・アドバイザーのamoネットワーク(amo)はこのほど、コロナ禍で企業が重視する価値観の変化について調査した。世界22市場の最大手525社に最も大切にする価値観を聞いた。その結果、「人々・地域社会」に対する関心が、新型コロナの世界的流行以前に比べて高まっていることが分かった。(オルタナS編集長=池田 真隆)
同調査では、新型コロナウイルスが流行する前(2019 年3月~2020年2月)と感染拡大後(2020年3月~2021年2月)で企業が年次報告書や公式サイトで使う言葉などから価値観を分析して、その変化を比べた。
日本企業の価値観を分析すると、グローバル企業と同様に「誠実さ」が最も多く挙げていた。コロナ前にトップだった「革新性」を追い抜いた形だ。「チームワーク」や「信頼」を挙げる企業も増えた。

グローバル企業の価値観については、コロナ前には「倫理観・誠実さ」を示す企業が最も多かったが、コロナ後には「人々・地域社会」を最重要視する企業が最多になった。
企業の価値観は、ステークホルダーからどう見られたいのかを表すものだ。コロナの世界的流行により激動の一年を迎えたが、利他の価値観を重視する企業が増えた結果について、調査を行ったamo のアンガス・メイトランド会長は、「多少なりとも将来を楽観視できる要素となる」と話した。