アフリカ・ケニアからの輸入品を展開するファッションブランド「RAHA KENYA」(ラハケニア)が、衣料の大量廃棄問題に取り組んでいる。創業者はそれまでアパレル業界とは無縁だった。ビジネスを始めてみて、これほど廃棄物が出るのかと驚いたことが「廃棄ゼロ」を目指すきっかけだった。(オルタナ編集部・山口勉)

「RAHA KENYA」は個性的なアフリカ布で仕立てた服やアクセサリーを主に扱う。2018年12月に立ち上げた。ネットショップを中心に2020年は約2800アイテムを販売した。2021年は約4000アイテムに増やす計画だ。
同ブランドを運営するのは、合同会社AsanteSana (アサンテサナ、横浜市)。同社の河野理恵代表は、起業するまでアパレル業界に関わったことはなく、自身のブランドを立ち上げてから大量廃棄問題に関心を持った。
製造過程でも「こんなにもサンプルを繰り返して出来上がっていたのか」「品質の良いものの提供にこだわると、こんなにも落ちのものが出てしまうのか、これも使えるのに」と衝撃の連続だったという。
同社は「売る分だけ作る」ことで「捨てない」方針を貫き、「これまで一着もロスを出していない」という。
他にも梱包資材削減のため、通常は捨てられてしまう余り布を梱包材に利用するなど、廃棄削減に努めてきた。
リユースやアップサイクルに取り組む企業も増えているが、根本的な解決方法とは言えない。河野代表が取り組む「捨てない」「必要な分だけ作る」経営は、より根本的な課題解決に向けた行動だ。
10月23日〜24日には、東京・目黒で展示販売のポップアップイベントを開く予定だ。検品落ちして販売できず倉庫に眠らせていた商品を割引価格で販売する。