
パレスホテルは「フードロスバンク」(東京・港)と共同で、ホテルとしては初めて廃棄予定の食材を使用した総菜新商品「ケークサレ」を、9月に発売した。総菜に使用されるのは、見た目が不揃いで、流通規格に合わないために農家で廃棄されるはずだった新鮮な野菜だ。長年食品ロス問題に取り組んできたパレスホテルは、ステイホーム向けのテイクアウト用商品として販売することで、サステナビリティと集客の両方の実現を目指す。(寺町幸枝)
サステナビリティコンセプトを具現化した動き
ラグジュアリーホテルとして国内で確固たる存在感を示すパレスホテルが、フードロス対策に取り組んでいる。2021年に正式にサステナビリティコンセプト「未来を、もてなす」を立ち上げたパレスホテルにとって、廃棄予定の食材で作られたケークサレ(塩味のケーキ)」の販売は、その具体的なアクションの一つだ。
今回のプロジェクトに関わる「フードロスバンク」は、傷ありや大きさが不揃いなために正規の流通に乗らず廃棄されていた野菜の販売を促進する団体。パレスホテルの渡部勝総支配人が、フードロスバンク創設者の山田早輝子さんと知り合ったことをきっかけに、商品開発がはじまったという。
このケークサレの販売は、季節ごとに使用される野菜に変化はあるものの、継続した取り組みとしてパレスホテル東京内「スイーツ&デリ」で続ける予定という。