北米トヨタは6月21日、米スタートアップ企業のレッドウッド・マテリアルズ(以下レッドウッド)と提携し、同社が手がける「EV電池リサイクル構想」への参画を発表した。レッドウッドは米最大のバッテリー(リチウムイオン2次電池)リサイクル会社だ。フォード・モーターやボルボなどともパートナーシップを結び、EV電池のリサイクルを行う。世界で800万台のEV車の販売を目指すトヨタも参画した「EV電池リサイクル構想」とは何か。(北村 佳代子、池田 真隆)

トヨタがこの構想に入った狙いは二つある。環境への影響を抑制することと、EVバッテリーの輸入材料への依存を減らし、EVコストを下げることだ。バッテリーの材料となるリチウムやニッケル、コバルトなどの採掘は、環境に負の影響を及ぼす。「クローズドループ」のEV電池リサイクル構想に取り組むレッドウッドと提携することで、環境性を高める。
カーボンニュートラルに向けて、自動車の脱炭素化は急速に進む。現在世界では約1千万台のEVが車道を走っているが、自動車業界では2030年までにEVの生産台数は4千万台を超えると予測している。