ヤマト運輸は7月29日、小型商用EVトラック500台を首都圏などに順次導入すると発表した。車種は日野自動車の「デュトロZ EV」。同社は19年、国内でではじめて宅配用に特化したドイツ製EVトラックを導入したが、量産型の国産車は初となる。(オルタナ副編集長・長濱慎)

荷役作業性や乗降性に考慮した超低床構造。リチウムイオンバッテリーで航続距離は150km
ヤマト運輸は日野自動車と21年7月から実証実験を行い、集配業務における効率性・実用性を確認し、今回の導入となった。温室効果ガスの削減効果については「現在算出中」(広報部)という。
台数は500台で、8月10日から首都圏、中部、関西エリアを中心に、順次導入していく。ヤマト運輸は2019年に他社に先駆けてドイツ製小型商用EVを導入したが、国産車の採用は初となる。
7月27日には、CJPTと共同でEV普及に向けてカートリッジ式バッテリーの規格化・実用化の検討開始を発表。CJPTはトヨタ、いすゞ、日野自動車などが出資し、商用車のCASE※を推進するために設立した。
※CASE:自動車業界が進むべき次世代のトレンドのこと。C(コネクテッド)、A(自動運転)、S(シェアリング)、E(電動化)の4つからなる
ヤマト運輸は「2050年までに自社からの温室効果ガス実質ゼロ」という目標を掲げている。その一環として、30年までにEV20000台の導入を打ち出した。
他社の動きでは、佐川急便が21年4月、EVベンチャーの ASF(東京・千代田)と小型EVを共同開発し、集配用の7200台を置き換えると発表。三菱自動車の「ミニキャブ・ミーブバン」の導入を進める日本郵政は25年までに四輪12000台、二輪21000台をEVに切り替えるとしている。