記事のポイント
①リコーはGPIFが採用した国内ESG指数5件すべての構成銘柄に選定された
②リコーは環境経営の元祖だが、2017年の山下良則社長就任後、ESGを強化
③各指数を分析して、経営と現場で一体化したESGへの取り組みを進めてきた
リコーはこのほど、世界最大規模の年金運用機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するESG国内指数5件全ての構成銘柄に選ばれたと発表した。「環境経営の元祖」として知られるが、山下良則社長が2017年に就任するとESGを強化した。経営と現場で一体化したESG活動を進めてきた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

「リコーグループではESGに関する外部評価を自社の企業活動の改善を図る『健康診断』と捉え、情報開示を強化してきた」。同社の羽田野洋充・ESGセンターESG推進室長はこう話す。
GPIFではESG投資をするにあたり5つのESG指数を採用している。MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、FTSE Blossom Japan Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数だ。
近年ではESG開示情報をもとに評価する指数が多く、評価機関により視点が異なる。「注力する外部評価を定め、詳細な分析と活動改善を推進してきた」(羽田野ESG推進室長)。
リコーでは「非財務」に当たるESGを5年後、10年後に財務を生み出す「将来財務」と位置付け経営目標に落とし込む。将来財務であるESG目標を財務目標と並べて会社の経営目標と位置付け、「2030年目標」をつくった。中期経営計画の中で、バックキャストの考えで2022年度目標を設定し、年次で実績を開示してきた。