ZOZOがブランドのDX支援、脱・過剰在庫へ

記事のポイント
①ZOZOがファッションブランドを対象にした「DX支援」に乗り出した
②工場での作業をデジタル化し、複数の異なるデザインを同時並行で生産
③受注生産なので、ファッションブランドは在庫リスクゼロで販売が可能に

ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは9月1日から、ファッションブランドのDX化を支援する。製造工程をデジタル化し、複数の異なるデザインを同時並行で生産できるようにした。受注生産で受け付けるので、ファッションブランドは在庫リスクゼロで販売できるようになる。(オルタナS編集長=池田 真隆)

最低1着のロットで工場に発注でき、注文から最短10日で物流拠点から発送する仕組み

同社が始めるのは「Made by ZOZO」という名称のサービスだ。年間購入者数1061万人を誇るZOZOTOWNが持つデータやノウハウに基づき、出店するファッションブランドに商品企画を提案する。

具体的には、これまで手作業で行っていた工場での作業をデジタル化する。これにより、複数の異なるデザインの商品を同時並行で生産できるようにした。

生産は1着から可能で、商品を受注してから最短10日で発送する。商品の受注後に生産工程に入るので、ブランドは在庫リスクゼロで販売できるようになる。

このサービスは9月1日から始める。第一弾はユナイテッドアローズの商品をこの方法で販売し、TSIやシップスの商品も同様の仕組みで販売していく。

今後はMade by ZOZOを通じて得たデータを活用して、各ブランドの実店舗や自社ECなど、ZOZOTOWN以外の販売チャネル向けに適正な生産量を提案することも行う。各ブランドの自社内での在庫リスク低減も支援する。

ZOZOTOWNでは、各ブランドの新商品を予約購入できる合同展示会「ZOZOCOLLE」や、予約販売専用カタログ「ZOZOCATALOG」などを通じて適正量販売につながる施策を行ってきた。

近年では「マルチサイズ」によって、在庫ロスを最小限化した生産体制づくりにも取り組んだ。これらのノウハウを集め、「Made by ZOZO」として各ブランドの生産を支援する。

同社の廣瀬文慎・取締役COOは、「ファッション業界の抱える大量生産・大量廃棄の課題を解決し、業界が持続可能となるよう努めていきたい」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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