記事のポイント
- 帝人は2006年から途上国の子ども向けに絵本を寄贈する取り組みを行う
- 社員有志が始めたボランティア活動が会社の社会貢献活動になった
- インドネシアには累計約800冊を届け、社員に人気の社会貢献活動の一つに
■サステナ担当者リレーコラム(27)
企業のサステナビリティ担当者のリレーコラムです。参加するのは、14社のサステナビリティ/CSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第27弾は帝人CSR企画推進部の大西純子さんです。
*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
日本航空
セブンアンドアイホールディングス
リクルート
千代田化工建設
リコージャパン
帝人
ゴールドマン・サックス
三菱地所
メルカリ
ユーグレナ
パナソニックホールディングス
リクシル
アストラゼネカ
■世界の子どもたちに絵本を届ける、テイジンの社会貢献活動
帝人グループは開発途上国の子どもたちに絵本を寄贈する取り組みを行っています。世界の子どもたちに絵本を届ける「ブック・ドリーム・プロジェクト」をどのように運営しているのかご紹介します。
帝人グループは「Quality of Life の向上」という企業理念を掲げています。この理念のもと社会貢献の基本方針を組み、「学術・教育」「スポーツ活動」「環境保全活動」「被災地支援」の観点から活動を推進しています。

「ブック・ドリーム・プロジェクト」について説明します。これは2006年に社員有志によって始まったボランティア活動です。インドネシアの子どもたちに本を読む機会を提供したいという思いから生まれました。
2008年からは、帝人グループ共通の社会貢献プログラムとして制度を整えました。この活動の仕組みは次のようになっています。
帝人グループ社員から不要になった物品を提供してもらいます。それをブックオフコーポレーションの協力によって換金します。
その資金をもとに、絵本を購入します。社員ボランティアがインドネシア語の訳語シールを貼り、インドネシア国内の図書館、養護施設や学校・幼稚園などの図書室に寄贈しています。寄贈先に送るため、インドネシアの子ども達を支援するボランティアグループ「ジャカルタ・ジャパン・ネットワーク(J2net)」に協力して頂いています。
資金の一部は、「シーカー・アジア財団」が行う「タイの移動図書館活動」に寄付しています。

2008年~2021年度までの14年間で、社員からの物品提供による総額は、約150万円に上ります。インドネシアへ届けた絵本は、約800冊です。タイの移動図書館活動への寄付は、約70万円となりました。
物品提供、訳語シールの貼り付けと各過程で協力した社員一人ひとりの小さな行いが大きな形となって実を結んでいます。
訳語シールの貼り付けは、子どもと一緒にできる作業です。「インドネシアの子どもたちに喜んでもらえることを想像しながら作業でき楽しかった」「子どもにとって良い経験になった」と感想が寄せられ、社員にも非常に人気のある活動です。

2021年には、長年の活動が評価され、東京ボランティア・市民活動センターから感謝状をいただきました。
コロナ禍であっても、活動は継続しています。ダンボールを開けて絵本を見た時の子どもたちの喜ぶ様子を見ると、この活動の素晴らしさ、継続することの大切さをあらためて思わされます。

写真提供:ジャカルタ・ジャパン・ネットワーク