記事のポイント
- LIXILは10月18日、廃プラと廃木材を融合した新素材「レビア」を発表
- これまで難しいとされてきた複合プラスチックの再資源化を進める
- 第一弾製品は舗装材で、2030年にレビア事業の売上高1000億円を目指す
LIXILは10月18日、廃プラスチックと廃木材を融合した新素材「レビア」を開発したことを発表した。第一弾製品として、歩道や建物外観などに使える舗装材を2023年1月から発売する。これまで難しいとされてきた複合プラスチックや海洋プラスチックの再資源化を進める。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「レビア」は、家庭や事業活動から排出される廃プラスチックと、建築物の解体などで不要になった廃木材を原料とし、廃棄物の有効活用とともに、廃棄物処理にかかるCO2排出量の削減に貢献する。
レビア1トンの製造工程で排出されるCO2排出量と、同量のレビアに使われる廃プラや廃木材が焼却された場合のCO2排出量を比較すると、82%のCO2排出量の削減につながるという。
樹脂の種類によって融点が異なるため、熱劣化や溶け残りの問題があり、これまで回収された廃プラスチックの再資源化が難しかった。LIXILは、材料の微細化技術と押出成形で、再製品化を実現した。使い終わったレビアを新しいレビアに再利用する水平リサイクルも可能だ。
LIXILの瀬戸欣哉取締役代表執行役社長兼CEOは「レビアは、長期的な成長事業の一つであるとともに、地球環境や豊かな社会に貢献するという当社のパーパスに沿った商品である。2030年にレビア事業の売上高1000億円を目指す」と話す。
瀬戸CEOは「企業から排出される廃プラの素材や中身はある程度把握できるが、家庭からの廃プラは不明で、半分程度は焼却処分されてしまう。こうした家庭からの廃プラを再資源化できるところに、経済的優位性と環境貢献の意義がある。今回開発した舗装材は、コンクリートの代替にもなり得る」と説明した。
廃プラと廃木材の割合は非公表とした。