京都の若手漁師、激減する「ハマグリ」再生へ

記事のポイント


  1. 第4回「ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」の受賞者が決まった
  2. 30歳未満部門のチャンピオンに輝いたのは京都の若手漁師・村上純矢さん
  3. 周囲の漁協と連携して激減するハマグリの再生を目指した取り組みを行う

ジャパン・サステナブルシーフード・アワード実行委員会は10月19日、第4回「ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」の授賞式を開いた。30歳未満を対象にした「U-30」部門のチャンピオンには京都・阿蘇海で激減するハマグリの資源を復活させる取り組みを行う村上純矢さんが輝いた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

「U-30部門」のチャンピオンに輝いた村上さん (写真:Hidehiro Akahoshi)

ジャパン・サステナブルシーフード・アワードとは、サステナブル・シーフード(持続可能な水産物)の普及や日本の持続可能な水産業の推進に貢献したプロジェクトを表彰する取り組みだ。

主催団体はジャパン・サステナブルシーフード・アワード実行委員会。ASC(水産養殖管理協議会)ジャパン、MSC(海洋管理協議会)ジャパン、セイラーズフォーザシー日本支局、シーフードレガシー、WWFジャパンから成る組織だ。

京都・阿蘇海で科学的根拠に基づきハマグリの資源管理

30歳未満の個人・組織を対象にした「U-30部門」のチャンピオンに輝いた村上さんは京都・阿蘇海でハマグリの資源管理を行う。

ハマグリは全国で激減している。1970年代には3000トン程度の漁獲量があったが、近年は100トン程度を推移する。村上さんは研究機関と2021年からハマグリの資源管理を始めた。

漁期の設定や操業時間・漁獲数量の規制、さらに、漁獲量が資源量の30~40%に達した場合は漁期中でも終漁するよう漁協に呼びかけた。周囲と連携しながら科学的な根拠に基づき資源管理に取り組んでいる点が評価された。 

業界のパイオニア的存在を表彰する「リーダーシップ部門」のチャンピオンには、フィッシュ・アンド・プラネットや銀座大新などのグループが輝いた。日本で初めてワカメ・コンブでのASC-MSC海藻(藻類)認証の取得を目指し、実務面や資金面から支援する取り組みを行う。

協業で取り組み「コラボレーション部門」では、中国・黄海沿岸域での漁業改善プロジェクトが選ばれた。ニチレイフレッシュやWWF中国などのグループが協働した取り組みで、あさりのMSC漁業認証を取得したことが評価された。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #漁業

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