記事のポイント
- アニマルパスウェイと野生生物の会は動物の事故を防ぐクラファンを開始
- 高速道路での野生動物の事故死は年間約5.3万件発生、一般道含むと膨大に
- 動物の歩道橋「アニマルパスウェイ」の普及啓発へ調達資金でアニメ制作へ
アニマルパスウェイと野生生物の会(東京・練馬)はこのほど、樹上性野生動物の歩道橋「アニマルパスウェイ」の普及啓発に向けたクラウドファンディングを始めた。調達資金をもとに、アニマルパスウェイの啓発アニメを製作する。目標金額は300万円で、募集は12月15日までとなる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

アニマルパスウェイはヤマネやリスなどの樹上性野生動物のための通り道のことで、2004年創設の「アニマルパスウェイ研究会」が作った造語だ。アニマルパスウェイと野生生物の会は研究会がアニマルパスウェイの普及と、樹上動物の保全へ活動する。
道路が森を分断することで、動物たちの移動や採食などに影響がある。同会が国土交通省や各高速道路会社のデータをまとめたところ、2019年には高速道路の野生動物の死亡事故が5.3万件発生している。一般道を含めると、相当数に上るとみられる。
アニマルパスウェイはこれまでに国内で13基(うち、現存するのは9基)、海外で1基を設置する。動物の通り道としてはブリッジやトンネルなどもあるが、コストの高さがネックだ。アニマルパスウェイは「安価で既存道路上に設置でき、なるべくメンテナンスコストがかからない」という。
クラウドファンディングで調達した資金は、樹上性野生動物保全のためのアニメ制作費用などにあてる。プロジェクトが成立した場合、2023年1月よりアニメ制作を開始し、4月の完成を予定する。